小児腎臓病

小児腎臓病とは

小児腎臓病

小児期によく見られる腎臓疾患の検査や診断、治療などを行う専門の診療科です。当院では、学校健診の際に血尿やタンパク尿が見つかったお子様、先天性の腎疾患や尿路異常があるお子様、尿路感染症を発症したお子様、そして夜尿症がなかなか治らないお子様などの治療を受け付けております。

当科で扱う主な疾患

夜尿症

いわゆる「おねしょ」は、乳幼児期のお子様であれば誰でも起こります。しかし、成長に伴って徐々に減っていきます。夜尿症は、幼児期を過ぎても夜間、睡眠中に無意識に排尿する状態が続いているものを言います。主な原因としては、大きく分けて夜間尿量の増加と夜間膀胱容量の減少の二つがあります。すなわち、夜寝ている間のおしっこの量が普通より多過ぎるか、膀胱に貯められるおしっこの量が普通より少な過ぎるか、あるいはその両方ということです。

治療にあたっては、夜間尿量を減らすこと、および夜間膀胱容量を増やすことを主に目指します。前者の具体例としては、抗利尿ホルモンを用いた治療があり、後者にはおねしょを知らせる夜尿アラーム、抗コリン剤などがあります。

水腎症

水腎症は、尿路が狭くなったり流れが滞ったりすることにより、腎盂や腎杯が大きく拡張してしまう状態です。先天的な異常の場合もありますし、後天性の尿石症や腫瘍、炎症が原因となって引き起こされることもありますが、小児の場合は先天的な狭窄が大半です。

先天性水腎症の原因は、何らかの遺伝子が関与していると考えられていますが、現時点でははっきりと解明されたわけではありません。治療にあたっては、尿路の詰まり具合によって異なります。狭窄の度合いが強いときは、流れを改善するための治療を行います。症状が無く、腎機能が保たれている場合は経過を観察します。

血尿

血尿は、文字通り尿に血が混じって赤くなった状態です。一般的な尿は透明に近い黄色のことが多いので、血尿とは見た目が異なります。そのため、患者様が自ら肉眼で確認することが出来ます。なお、尿に赤血球が混じっているのに、色などがはっきり出現しないため、顕微鏡などを用いないと確認できない尿潜血もあります。どちらも、重大な疾患が潜んでいる可能性がありますので、小児腎臓科で必要な検査を受けるようにして下さい。